0514 わたしの「泥棒役者」の話
0501 1ヶ月前に25歳の誕生日を迎えた彼の話
0405 治外法権に酔った話
3月最後の日曜日、久しぶりにライブハウスに足を運んだ。いつものように一人で。はじめて行くハコだった。
今回の目的は以前もこのブログにて感想を綴った「空きっ腹に酒」(以下、空きっ腹)というバンドである。全5組のバンドが出演したが、空きっ腹以外まったく聞いたことがなく、一組を除いては今後もまったく聞かないのだろうなと思った。今回はそのライブの感想を綴る。
※ジャニごと・妄想の類ではありません。
一組目二組目ともに「若い人が好きそうだな」と思ったことは覚えている。メモを見かえしてもロクなことを書いてない上に、ライブハウスにはわたしも含めてブスしかいねぇなだの、危うく後ろと隣のぶつかってくる女ぶっ★すとこだっただの不穏なことしか書いていなかったので割愛する。
勘違いしないでいただきたいのだが、わたしの好みに合わなかったというだけでバンドそのものをdisりたいわけではない。ファン共は気に食わなかったけど。
三組目、勃発というバンドが出てきた。スタンバイ・音出しの時点でギタリストが短パンなことに気づきどこかホッとする自分がいた。滝善充さんお元気ですか。
正直、曲で何を言ってるのかはさっっっぱりわからなかった。だけど、あまりの勢いと気に心を掴まれた。音がでかくてうるさくてはやくて というわたしの好きな要素を完全に満たしており三組目の彼らの演奏を聴いてやっとわたしは「ああライブハウスに来たんだなぁ」と思った。
ボーカルのお兄さんは絶妙に格好良いんだかダサいんだかキモいんだかのラインを片足立ちしているような見た目であったが、MCだか曲間だかで発した言葉にやられてしまった。
「現実を見ろ」「許されるのはライブハウスだけだ」「治外法権だから、」
そう言い放つ背中に血液が逆流しそうになった。普段、ライブに行くと記憶がすっ飛びがちなわたしであるが珍しくメモ無しに記憶に残ってるシーンだ。
「でかい声ででかい音で速い曲を」
とも言っていて、パフォーマンスはまさにその通りだったしどおりで好きだと思うわけだ…としみじみしてしまった。彼らはわたしの地元のバンドなので、また観に行きたいと思った。
そんな勃発を経て四組目、空きっ腹に酒の登場である。
スタンバイの一番初めにドラムのいのまたさんが現れたのだが、クールだった。次に現れたベースのシンディさんも、クールだった。何度かこのブログで綴っている『ミソッカス(みそっかす)』のリズム隊のお二人はゴリゴリと圧倒的攻撃力を担っている感じなのだが、空きっ腹のリズム隊のお二人は冷徹に有無を言わさず仕留めるような雰囲気を纏っている。
続いてギターのにしださんが現れた。髪の毛は相変わらず真っ赤で、紺か黒の花柄のシャツの中に黒いタンクトップを着ていて、黒いスキニーパンツを履いていた。容姿はほぼチンピラである。えっ無理!!!!!!!!!死ぬほど格好良い!!!!!!好きです!!!!!!!!!!高校生の頃は下手ベーシスト推しのオタクだったが、初めてミソッカスを観てノブリルさんに白く記憶を奪われてからすっかり上手のギタリスト推しのオタクになってしまった。何の話だよ、と思われたかもしれないがその、あの、上手前から二列目でにしださんの真ん前ロックオンだったので感想と言いつつにしださんの話多めです!!!!!
にしださんがセッティングをする様子を眺めメモをとっていたのだが、
「無理」「笑ってる可愛い尊い」「アーーーッ背中ーーーッ」「腕まくりがやばい」「黒スキニー似合いすぎ」「黒スキニーに愛されし男」「多分雷を使う男」「脚長すぎて踏まれたい」「お尻が小さい」「コードになりたい」「濡れツヤまぶた」「伏せ目で唇を触る手が性的」「半開きの口最高」「照らされてるにしださんえろすぎてむりでは?」「えっえろすぎる死ぬ」
と主観と欲望に満ち溢れたことしか書いていなかった。でもほんとににしださん超絶格好良くて強くて麗しくて2次元みたいなんですよ……みんなにも生の、ライブハウスでのにしださん見てほしい…見て……
ボーカルのゆきてるさんはスタンバイに姿を見せず、SEが鳴るのを待った。
ライブが始まってから安定に記憶はすっ飛んだ。セトリもろくすっぽ覚えてない。だが、およそ2年ぶりに見る空きっ腹に酒は、相変わらず圧倒的だった。
にしださんのギターも、ハモリも、低空飛行のステップも、とにもかくにも格好良い!!!と絶賛したいし、だけどリズム隊の轟かすお洒落なのに冷たくて格好良い低音も、ゆきてるさんのフロア一人一人を射抜くかのような姿も、全部全部良くて、自分の目で見てるこれが現実なんだと思うとちょっと怖くなるくらいだった。格好良すぎて痺れるのに、頭と身体が勝手に揺れて踊り出してしまうのは空きっ腹ならではの快感だと思う。
「愛されたいピーポー」という曲がある。わたしはそれを聴くたびに心を刺される錯覚を起こす。大好きで、だけどどこまでも生々しく痛い曲だ。そのイントロを目の前でにしださんが弾いてる。ライトの加減で濡れたようにつやつやした瞼が、伏せられた目が、その影が、あまりにも美しくて、でも弾いてるのは痛い曲で、喉が締まった。何度も何度も聴いて、傷に塩を塗り込まれて胸を掻き毟りたくなった大好きで冷たくも温度のあるその曲は、やっっっぱり最高だった。
今回は「酔e.p」のリリースツアーだったので、それに収録されている「血が走るのがわかった」「グッドラック飢渇」も披露したのだが、今のわたしが欲しくて、今のわたしを的確に刺す二曲であった。
「血が走るのがわかった」は詞に心をサクサク刺されつつも、にしださんのギターがほんとに好きで、好きで、初めて聴くのに好きすぎて、頭が真っ白になった。あのカッティングと指さばき、何が起きているのかわからなくなる。ほんとにほんとに格好良かった。語彙が出てこない。
「グッドラック飢渇」も、もちろんめちゃくちゃ格好良かったのだが、こちらはどちらかというとボーカルのゆきてるさんが詞を繰り出してくるたびによりザクリ、ザクリと心が崩れる気がした。読まれてる、今のわたしを、今のわたしの状況も心も全て、全て分かってて知らないような顔で「お前のことやぞ」と知らしめるような、そんな感覚に陥る。ゆきてるさんは当然わたしのことなど何も知らない。けれど、あの目の前に嘘をつくことも隠すことも取り繕うこともすがることも出来ないと、全て白状してしまいそうになる。そんな詞にバカみたいに踊り狂える音を、思考をぶっ飛ばすような音に確実に脳みそを回転させるような詞を。空きっ腹はとんでもないバンドである。
MCは相変わらず面白かった。ゆきてるさんは言葉をほんとに巧みに操るなぁと思いつつ、あんな格好良いギターのにしださんが喋るとかわいみが溢れ出てきたしんどかった。間の取り方が上手なのだろうか、大阪のバンドだからと言うには彼らは面白すぎる気もする。
空きっ腹に酒は鮮血のような赤だ。
人間としての、エロではない色気(個々人はめちゃくちゃ格好良いしエロ的な色気もある)で全部巻き込んで熱くさせていくような、むせかえるようで、でもどこか氷のようで、纏っている色が鮮血のような赤に見える。
0321 笑顔になっちゃう日々の話
0320 ほんの十数秒の話
この世に何人アイドルがいて、自分はその中の何人を知り、更にその中から何人を応援するのかなんて、考えてるだけできっと寿命がおわってしまう。
だから、DDと言われようが、わたしは自分が出会えて、衝撃を与えられ、わたしのアイドルとなってくれた人については可能な限り記録に残したいなと思っている。それが何の為かについても考えだしたらキリがないので、自分の為にとでも定義づけておこう。
以下もただのわたしの記憶の記録に過ぎない。
またしても飽きずに懲りずに少年倶楽部で、何度目かの耳泥棒にあった。
今までノーマークな子だった。いつも大体彼の横にいる男の子が若かりし日の錦戸亮ちゃんに似ている気がして、推すならこの子かな、でも名の通り星のようにきらきらしてる男の子が脳内の関西ジュニアの部屋に鎮座してるしな、なんて思いながらもみんな愛おしくて可愛らしい関西ジュニアのコーナーを楽しく観ていた。
後に検索したら彼のシンメだという子が歌う「ミステリーヴァージン」はぼんやり見てた。
むか~しよく聴いてた「フラワー」のイントロに、若いのに懐かしい曲歌うのねと思ってたら、耳が引っかかった。
よく聴いていたから歌詞は知っていた。はずなのに、初めて聞くかのような感覚だった。
関西弁の歌でもないこの曲にこんな関西色出すの?なんて思ってちょっと笑ってしまったけど、確実に引き込まれていた。なんだこれ、ソファーに寄りかかりながら観ていたのに前のめりで彼が歌う数十秒を観てしまった。
2人で歌い始めて、錦戸亮ちゃんに似た彼が歌い始めて、「今のなんだったんだ?」って少しだけど確実に心が動かされていて、一通り小クラを見終えた後、わたしはまた彼の歌う「フラワー」を再生していた。
じわりじわり、彼の声がこびりついて離れなくなってしまった。
こびりついたその声に意識を向けようとすると浮かぶ顔が、なんだか胸をきゅっとする。
顔と名前が一致してるくらいだった。
年下という時点で、興味なんてほとんどなかった。日本犬に似てるなぐらいしか思わなかった。
けど彼の歌声を聴いたときに一気に、 長尾謙杜くん を意識し、認識した。
もっと彼の歌声を聴きたくなった。
彼の顔が急に可愛く見えてきてしまった。単純すぎる。
よくよく考えたらわたしは日本犬が好きなのだから嫌いなわけがないのである。
わたしが彼を推すとか彼に降りるだとかは、全くわからない。想像もつかない。
いつもそうだ、好きが断片的すぎていろんなアイドルにいろんな好きを抱く。今に始まったことではない。全肯定したいと願いつつわたしもアイドルもファンも人間だからソリが合わないことも多くて、わたしにとっての美味しいところを少しずつつまみ食いをしている。
多分こんな風に綴るたびに、ちょくちょくわたしのブログを見てくれてる人は、「またかよ」と思うのだろう。
けど、毎回全部新しい違う好きで、きっと何かが変わるんじゃないか変えられるんじゃないかって思ったりしてて、きっと意味があって神様がこの出会いをくれたんじゃないかって思ったりもしてる。絶対も奇跡も運命もない、そのスタンスは出会ってしまったアイドルに揺るがされつつもずっと抱いたままなのに、こうやって綴っているといかに自分が夢見がちかを思い知る。
白馬に乗った王子様が現れないことも、実在しないことも、知っている。
けど、出会った彼らは、ステージに立ったアイドルで、わたしの前に現れてくれて、実在してる。
やっぱり好きは止められないし、後悔したくない。
これはただの自分の記憶の記録だ。数か月後、一年後、数年後のわたしはこれを読んでどう思うんだろう。どうするんだろう。
ただ、今日の時点のわたしは、昨日と同じように家に帰ったら長尾くんのフラワーを聴くんだろうなと思う。聴きたい。あの声とあの瞬間のお顔が、今、恋しい。